2026年07月発行 Newsletter
経済安全保障時代の意思決定を支えるRisk Intelligenceとは?
Index
- はじめに
- 特集:「調査ツール」から「Risk Intelligence Platform」へ
- 経済安全保障対応で変わる情報収集とリスク管理
- Agentic Risk Intelligenceの現在地
- なぜ今Vendor Vettingが重要なのか
- 新着情報
- イベント情報
- 編集後記
はじめに
近年、多くの企業では「必要な時に調べる」だけでは十分ではなくなっています。海外拠点周辺の情勢変化、サプライチェーンリスク、制裁情報、レピュテーションリスクなどを継続的に監視し、意思決定につなげることが求められています。
Babel Streetは、こうした課題に対応するため、「情報を探す」から「リスクを継続監視し、判断を支援する」Risk Intelligence Platform への進化を進めています。
今月号では、「Risk Intelligence(リスクインテリジェンス)」をキーワードに、企業や官公庁に求められる新しい情報活用のあり方に加え、Agentic AIを活用した調査・分析業務の高度化、第三者リスク管理、経済安全保障対応の実務的な視点をご紹介します。
特集
「調査ツール」から「Risk Intelligence Platform」へ
これまでOSINTツールは、「調べたいときに検索する」ための
手段として利用されてきました。
しかし近年のリスク環境では、以下のような領域について、平時から継続的にモニタリングし、変化の兆候を早期に把握することが求められています。
- 海外拠点周辺の情勢変化
- サプライチェーンの異常兆候
- 制裁リスク
- ブランド毀損リスク
- 重要イベント周辺の脅威 など
Babel Streetもこの変化に合わせ、早くから単なる検索基盤ではなく、継続監視・リスク検知・調査支援を実現する Risk Intelligence Platform であるための進化を進めてきました。
経済安全保障対応で変わる情報収集とリスク管理
近年、日本国内では経済安全保障推進法や重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律(いわゆる「経済安全保障版セキュリティ・クリアランス制度」)の運用が進み、経済安保への関心が一段と高まっています。特に重要インフラ、製造業、先端技術分野では、取引先管理や海外パートナー評価、技術・データ管理が経営課題として取り上げられる機会が増えています。
企業に求められるのは、単なるコンプライアンス対応ではありません。
- 取引先の継続評価
- 技術提携先の調査
- 海外パートナーのスクリーニング
- サプライチェーンの可視化
など、事業判断とリスク判断を同時に行う力が重要になっており、OSINTは、そのための基盤情報として活用されるケースが増えています。
👉 大規模な意思決定のためのインテリジェンス
Agentic Risk Intelligenceの現在地
AIは単なる検索支援から、「調査の進め方そのものを支援する段階」へ進化しつつあります。Babel Streetが掲げるAgentic Risk Intelligenceでは、分析官が調査意図を示すことで、AIが関連情報の整理、調査計画の作成、状況報告(SITREP: Situation Report )作成を支援します。
重要なのは、AIが分析官に代わって判断するのではなく、分析官の業務を加速・拡張する点です。調査初動の効率化、情報整理、引用元や根拠の確認、報告作成の支援を通じて、分析官がより高度な判断や意思決定支援に集中できるようにすることが、Agentic Risk Intelligenceの考え方です。
実際の活用事例では、インテリジェンス調査、サイバー脅威ハンティング、複雑なリスク事案の把握などにおいて、調査時間の短縮や情報整理の効率化が報告されています。
👉 「AI on AI」時代を切り拓く:エージェント型AI・リスクインテリジェンスを実現するInsights Investigatorの紹介
なぜ今 Vendor Vetting (ベンダー審査) が重要なのか
重要インフラ、製造業、先端技術分野、サプライチェーンに関わる企業を中心に、取引先管理、海外パートナー評価、技術・データ管理への関心が高まっています。 特に、中国を含む海外パートナーとの取引や技術提携においては、相手先の事業実態、関係企業、レピュテーション、制裁・規制情報、関連ニュースを継続的に把握し、事業判断とリスク判断を両立させることが重要です。最近のお客様との会話でも、Vendor Vettingや、中国を含む海外パートナー評価、第三者リスク管理に関するご質問を多くいただいています。
中でも特に重要なのは、単に制裁対象企業を特定することではなく、以下を継続的に把握することです。
- 関係企業の構造
- レピュテーション情報
- 制裁情報
- グローバルな関連ニュース
リスクは契約締結時ではなく、契約後に顕在化することも少なくありません。そのため、継続的な第三者リスクモニタリングの重要性は今後さらに高まると考えられます。
👉 Babel Street を活用したベンダーリスクインテリジェンス
Babel Street Insights、Insights Investigator、Vendor Vettingの活用方法について、資料や個別説明をご希望の方は、こちらからお問い合わせください。
新着情報
Babel Streetでは、Agentic Risk Intelligenceに関する最新コンテンツや、Insights Investigatorの活用事例を順次公開しています。
ケーススタディ
イランのAPTグループに対するインテリジェンス主導のサイバー脅威
ハンティングにおけるBabel Streetの活用
イラン系APTグループを対象としたインテリジェンス主導型サイバー脅威ハンティングの実践例。Investigator (Agentic AI) を活用することにより調査を効率化し、脅威の早期発見と対策強化を実現。
民兵から国軍へ:ISW、Babel Streetを活用して シリア軍を理解する
Institute for the Study of War(ISW)は、Babel Street Insightsを活用し、新たに編成されるシリア軍の組織構造や指揮系統の分析を実施しました。SNSや公開情報を横断的に収集・分析することで、新部隊の設立や指揮官人事などの動向を把握し、複雑かつ流動的な安全保障環境におけるインテリジェンス分析を実現。
ブログ記事
エージェント型リスクインテリジェンスプラットフォームとは?それが必要な理由
AIエージェントを活用したリスクインテリジェンスにより、脅威の早期発見と迅速な意思決定を実現。高度化・複雑化するリスクへの対応力を強化する仕組みを解説。
見えない脅威にどう備えるか:大規模イベントのセキュリティ最前線
複数の国や都市にまたがる大規模イベントでは、国境を越えた移動管理、サイバー脅威、誤情報の拡散など、多様なリスクへの対応が求められます。OSINTとAIを活用した脅威の早期検知と意思決定支援について解説。
サクセスストーリー
マーシーハースト大学CIRATにおける、迅速かつ安全なインテリジェンス
業務の推進
マーシーハースト大学CIRATは、Babel Street Insights Investigatorを活用することで、調査時間を約50%短縮し、限られたリソースの中でもより多くのインテリジェンス成果を提供できるようになりました。AIを活用した調査・分析支援により、迅速かつ安全なインテリジェンス業務を実現。
イベント情報
国内イベント
SEECAT (テロ対策特殊装備展)
2026年9月30日(水)~10月2日(金) | 東京ビッグサイト・南ホール
OSINT.JP Conference 2026 (OSINTコミュニティ/カンファレンス)
2026年10月17日(土) | KFC Hall Annex
ECONOSEC JAPAN(経済安全保障対策会議・展示会)
2026年11月4日(水)~5日(木) | 東京国際フォーラム
海外イベント
DODIIS Worldwide Conference 2026
2026年8月9日~12日|米国・フロリダ州、タンパ
米国国防情報局 (DIA) 主催のインテリジェンス分野における大規模カンファレンスです。Babel Streetは、データ統合と高度な分析により、国家安全保障における意思決定をどのように支援できるかをご紹介します。
GSOF Indo-Pacific Irregular Warfare Symposium
2026年8月18日~20日|米国・ハワイ州、ホノルル
不規則戦や特殊作戦に関する課題を議論する国際シンポジウムです。Babel Streetは、OSINTを活用した分析により、複雑な脅威環境の可視化をどのように支援できるかをご紹介します。
Intelligence and National Security Summit (INSS)
2026年8月26日~27日|米国・メリーランド州、ベセスダ
インテリジェンスと国家安全保障分野のリーダーが集うサミットです。Babel Streetは、多言語データとAIを活用し、グローバルなリスク分析をどのように高度化できるかをご紹介します。
※ 海外イベントご参加予定の方でご希望ございましたら
現地メンバーとお繋ぎしますので、お気軽にご連絡ください。
■ 編集後記
今月号では、AI、経済安全保障、リスク管理という3つのテーマを取り上げました。
最近のイベントやお客様との会話でも感じることですが、まずは「規制への対応をしたい」ご要望があり、そこからさらに「情報を集めること」そのものよりも、「どのようにリスクを把握し、意思決定につなげるか」を重要なテーマとされていることが多いようです。
公開情報とAIを活用したRisk Intelligenceは、今後ますます多くの組織で重要性を増していくと考えられます。本ニュースレターが皆様の情報収集やリスク管理の参考となれば幸いです。
Babel Streetは今後も、公開情報とAIを活用したRisk Intelligenceの最新動向をお届けしてまいります。
Babel Street 一同
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